大人の見る絵本 生れてはみたけれど

「大人の見る絵本 生れてはみたけれど」(1932)を見る。
小津安二郎監督のサイレント期を代表する作品。
子供の視点から、肩書きに振り回されるサラリーマン社会の悲哀をユーモアを織り交ぜ描く。
白黒、オマケに無声ということで、
勉強のつもりでみたんだが、
これがいい!
子供の描写のヨイこと。
無声ならではの、ちょっとキツめの笑いもうまく、はまっている。
小さい子供の背中に「オナカヲコワシテヰルノデ、物ヲアゲナイデ」と、
貼ってあるなどの、細かいギャグに笑う。
戦前のオハナシなのだが、モダーンな雰囲気。
庭の洋式の椅子やら、家庭(金持ちの家)での映画上映会やら。

次男役を演じていた青木富夫(突貫小僧)は
最近でも「忘れられぬ人々」(2000)にも出演している。